ピンキーウィンターズさん

今月始めから、1週間弱、
ピンキーウィンターズさんというボーカリストの伴奏をしています。

ピンキーさんは1950年代にレコードをリリースし、今もなお活動を続けている大ベテランです。
当時のジャズの空気を今に伝える数少ないアーティストだと思います。

ベニーグッドマンと会った時の話などしてくれます。英語が所々わかりませんが(笑)。

今は80歳という年齢で、優しくお茶目なおばあちゃんと言う印象で、
、、まず飛行機に乗って来日して、日本全国をツアーして回る元気さに驚きですが、

一緒に演奏していても、とても良い刺激と驚きがあります。

歌っている時の佇まいがとても自然で大らかで、繊細です。
伴奏していると、どうしてもこの空気を壊したくないという気持ちになります。
だから慎重に音を選ばないといけません。

歌詞の中のある単語に、伴奏の出だしを合わせる様な状況でも
ピンキーさんは決して「せーの!」みたいな動きや目配せをしません。

イントロの後も1小節くらい遅れて歌いだしたりする事もあります。
もちろん間違えてるのではなくて、そんな風に感じて歌うのです。
不思議とずれて聞こえないものです。(でも伴奏者としてはちょっとだけヒヤっとしますよ。)

どこを切っても自然に、優しい声で歌っている、
それがカッコイイですね。そういうあり方が勉強になります。

話は変わりますが、少し前に滋賀を回った事を日記で書きましたが、
その時ご一緒したBenさんとは英語で話さなければいけなかったので、
少なくとも精神的には苦手な英語のリハビリになったつもりでした。

それでもBenさんは奥さんが日本人という事もあって、相当日本人に慣れてるんですよね。
下手な英語に対して、だいぶ譲歩してくれているんです。

ピンキーさんと話していて所どころわからない事があったりすると
聞き返すときもありますが、話題が飛ぶとわからなくて、
なんとなく笑ってやり過ごしてしまうこともあります。

でも注意しないと

僕  「ピンキーさん、美しい声でした。」
ピンキーさん 「あら、そうかしら。私は豚みたいな声だと思ったわ、ウフフ。」

みたいな返しをしてくる事があるので、油断できません。
ブタ系の冗談が好きらしく、チョイチョイ挟んでくるから厄介です。

うかつに「ははは、全くですなあ。」なんて言おうものなら
その後の演奏に支障をきたしてしまいます(笑)。

何ともお茶目で優しく、自然な方です。

今日が最終日。慣れてきた頃にはお終いですが、
また機会があったらご一緒させていただきたいものです。
by hirotakubow | 2011-06-08 12:21 | ESSAY | Comments(0)

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