谷口英治Newカルテットのレコーディングをしました。

昨日はクラリネットの谷口英治さんNewカルテットのレコーディングがありました。

思えば英治さんとは2010年に別の仕事で共演させていただいて知り合い、
その後newカルテットとして演奏してきて、4年あまり経ちます。

古き良き選曲やサウンドの雰囲気を大事にしながら
現代的なエッセンスを加えて、オシャレに演奏しましょうと言う
とても明確なコンセプトを持った、大好きなバンドです。

念願のレコーディングが実現して、形になるのは本当に嬉しいです。

皆さんには作品が完成した時に是非聞いていただきたいものですが、
全体的に良いサウンドが録れたんではないかな、と思い満足しています。

そしていつもの事ですが、とても学びの多いレコーディングになりましたよ。

おもしろいもので、レコーディングする時はどういうわけか
普段のライブでは伸び伸びと気持ちよく演奏できるようなシンプルなスタンダードの曲、
こういう物が一番難しくて厄介なんですよ。

逆にライブでは楽譜にかじりついて、間違わないように緊張しながら
必死に演奏するような曲ってのは案外すんなり通っちゃったりするもんなんですね。

要は、レコってのはライブと違って、その時弾いた1テイクを作品として出しますから、
「こんな風に演奏してます!」って趣旨がハッキリしてないと作品にならないんですね。

凝ったアレンジが施されてたり、曲自体が個性的なら
それ(趣旨)がハッキリしてますが、

何の変哲もない曲を好きに伸び伸びやってくださいとなれば、
それはもう「演奏家としての素材(個性)」を作品にするって事です。
その人の音色、リズム感、アドリブとしての面白さ等々、そういった個性を作品にする事。
簡単に書いてますけど、これは本当に大変な事です。
(ま、それがジャズの基本なんですけどね。)

料理に例えると、「これが自分の料理です」って人に出すのに
レシピの凝った創作料理みたいな物の方が自分の工夫を伝えやすいですが、

白米とみそ汁だけで「自分の料理です」って人に出して
そこに自分の工夫を汲み取って感動してもらおうとしたら
ハードル高そうな気がしませんか?

ジャズミュージシャンとして本物を目指すというのは、そういう事なんですが、
改めてその奥深さを感じましたよ。

ですので、昨日も難航すると思われた物はスンナリ通り、
一見簡単そうな、普通で小粋な曲はてこずりました。ジャズは難しいですねー。

とは言え、このバンドはもともとサウンドがオシャレで良いですから、
この持ち味がばっちり活きたいい音源が録れましたよ!

英治さんの温かなサウンド、本当に曲の良さが際立ちます。
時々攻めのスイッチが入るとそこにワイルドさが加わりかっこいいです。
攻め際、引き際をコントロールする百戦錬磨の仕事はやっぱりさすがでした。

ベースの楠井君はスイング感が素晴らしいし、耳が良く本当に頼りになります。
それにもう理屈抜きにベースが巧いです。ほんと、すごいっす。

ドラムの岡田さんはこのバンドのおしゃれな雰囲気を決定的にしているドラマーですが、
余計な事は叩かず静かに、なのに元気に小粋にスイングしてます。
特にバラードや、ゆったりとしたスイングの素敵な空気感。
なかなかこうはならないんですよ。いいテイクが録れました。

個人的には、自分が取り組んできた事や挑戦している事に
少し成果が得られたように思います。
もちろんまだまだ課題はありますが
現時点の自分らしく演奏できたんではないでしょうか。

出来上がったら是非聴いてくださいね。僕もリリースが楽しみです。

↓レコを終えた直後の谷口英治newカルテットの面々
左から楠井五月くん(Ba) 僕(P) 谷口英治さん(Cl) 岡田朋之さん(Dr)
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Commented by かよこ at 2014-09-11 19:54 x
レコーディングお疲れさまでした(^^)
先日のレコーディング直前ライブといい、田窪さんの日記といい、このレコーディング後の達成感?にあふれた皆さんの表情といい…
とってもいいものが録れたんだなぁ…と、期待で胸がいっぱいです(*´∇`*)
実は、今朝寝起きで谷口さんがUPしてたこの写真を拝見したのですが、思わずガッツポーズしてしまいました(笑)
待ちきれませんっ!早く聴きたいです(*^-^)

P.S. 次回ライブに行く時は、五体満足で伺えそうですよ(^^)v
Commented by えいちん at 2014-09-11 23:05 x
この路線は田窪くんとの出会いによって生まれたものです。四十半ばを超え、こうしたアプローチができて幸せです。言ってみれば、田窪くんは僕の人生の恩人であります。お疲れ様でした。
Commented by 土屋悦子 at 2014-09-12 00:01 x
ご飯と味噌汁なら任せて というおっ母さんですが…演奏者として素材を作品にするのは
ジャズって絵画より彫刻に近いのか? とチラッと思いました。
谷口さんの昔のCD、夫が持っています。バージョンアップした新路線の新作☆楽しみです!♪
Commented by hirotakubow at 2014-09-12 03:11
>かよこさん
そうですね。いいものは録れたと思います。もちろん僕も含めて個人個人、細かく思うところはあるのでしょうが、このバンドならではの良いムードが綺麗な音で録れたので、よかったと思いますよ。早く聴いてもらいたいですね。
今回は、今度のケガを治して、別のケガを作らないようくれぐれも注意してくださいね(笑)。

>えいちんさん
まさかコメントが来るとは!勿体無いお言葉で恐縮です。本当にありがとうございます。
僕の方こそ楽しみながら学びの機会をいただけて幸せです。おかげさまで充実した音楽生活になっています。
カルテットのサウンドやセンスが大好きですが、まだまだ知らない事ばかりなので、精進します。お疲れ様でした。
Commented by hirotakubow at 2014-09-12 03:12
>土屋悦子さん
あー、やっぱり僕の書き方が悪かった!すみません。
例えの話は「ジャズ」ってより「一見簡単そうなスタンダードを弾く難しさ」に限った話でした。

シンプルで素朴な料理を感動するくらい上質な物にする難しさや、小細工が利かない事の難しさ、また本物になるにはそういう基本に挑める素養がないといけないって話をしたかったのですが、くどいからこの辺にしときます(笑)。わかりにくくてすみません。
ジャズってククりの話なら絵画の要素も彫刻の要素も同じくらいあるでしょうね。

長くなりましたが新しいバージョンの谷口英治カルテット、是非楽しみにしててくださいね。聞き比べしたらおもしろそうですね!
Commented by kaori at 2014-09-12 23:43 x
田窪さんの音楽(ジャズ)に対する誠実な姿勢が伝わってきます。
いつか演奏を聞く事ができたらいいなと思っています。今日は仕事でいろいろあって疲れたのですが、このブログを読んで、「よし、私もがんばるぞ〜」と思いました。ありがとうございました。
Commented by 土屋悦子 at 2014-09-14 19:37 x
いえ、いえ。ストレートに分かります!
田窪さんの溢れるような熱い思いが伝わってきて、感動してつい余計なツッコミを入れてしまいます。読み流してね~♪
Commented by hirotakubow at 2014-09-15 01:16
>kaoriさん
こんな駄文がお役に立てて何よりですよ。お仕事お疲れ様です。
是非演奏も聴いていってリフレッシュしていただければ幸いです。

>土屋悦子さん
いや、こちらこそクドクドとすみません!ちょっと熱くなってましたね(笑)。これからも突っ込みいれてくださいね。
by hirotakubow | 2014-09-11 16:04 | ESSAY | Comments(8)

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