Good Fellowsツアー終了しました。

29日間に及ぶgood fellowsツアーが終わりました。

前回の日記でボコされていると書きましたが
ボコされながら、色んな発見や、
わかっていたけど再確認出来たことなど、
沢山の収穫がありました。

このツアーに参加出来たことは
自分にとってとても大きな事でした。

ニューヨークから来たビンセントとエリック、
演奏のタイプも性格も正反対でしたが、

どちらの演奏も一緒のステージで音を聴いてるだけでも痺れる物でした。

圧倒的な音圧と音量
リズム感、テクニック
どんなに複雑でもクリアーなフレージング

CDの印象とは全然違って
これは結構な衝撃でした。

ツアーの前半ではこれらに圧倒されて、
若干パニックになり、文字通り「ボコされ」てしまってただけでしたが

1ヶ月と言う長い時間、一緒に演奏したり、
演奏以外の時間も一緒に過ごしている間に
さすがにパニックにはならなくなり、

その代わりに、自分のピアノが合わさった時に
「もう少し俺がこうだといいのにな」と自分が取り組むべき事のイメージが見える様な気がしてきました。

とは言え、わかっていても
それを演奏で再現できるようになるには

時間をかけて練習したり、本番で試行錯誤することが必要で

自分の練習課題がはっきりわかるのは楽しいものですが、
ツアー中、イメージと自分の演奏のギャップにもどかしさを感じる日もありました。

それから、やっぱりジャズと言うのは
いかに意志力と言うか覚悟と言うか
そう言う物が必要な音楽かと痛感しました。

二人の複雑なフレーズの和声や、
シビアなリズムを追おうとして
聴きすぎてしまうと、どうしても反応が後手に回ってしまい

その瞬間に自分のリズムが死んでしまう事がありました。

リズムが死ぬとバンドの中で存在感が薄れて
居ても居なくても一緒みたいな感じの音になってしまいます。

合わせようとするとダメで
まずは合わせないように、
自分から発信するとうまく行くのは、

いかにもアメリカらしい音楽だと思います。

何となくわかっていた事なんですが
今まで色んな人のリズム感を受け入れようと言う気持ちでやってきた事で

リズムがずれた時には相手に譲ったり、
無意識に人に合わせる癖がついてた所があったみたいです。

まあ周りを聴くことは大切ですし
さじ加減が難しい所ではあります。

意志力の話ではもう1つ、

ツアーの行程の中で赤坂のB flatで
日本人プレイヤーと合同のライブの日がありました。

普段よく共演させていただいてる
川嶋哲朗さんや山田穣さんなど
みんなで並んで演奏したわけですが、

川嶋さんと穣さんの演奏がかっこよかったです。

これ以外にやりようがないと言う開き直りと言うか覚悟が見えて

やっぱり迷いのない意志が伴った演奏は惹き付けられるんだなあと再確認できた日でした。

同じ日本人として妙に誇らしい気分になったものです。

ツアーの後半はとにかく自分のリズムを、自分から発信する事を全力でやり、

相変わらず音圧には圧倒されっぱなしでしたが、
一緒に演奏している手応えを少し持てた様に思えました。

とにかく音楽に厳しいビンセントにもツアーの終わりの日には
「だんだん良くなって行ったな」と最後になって初めて誉めてもらえ、嬉しかったです。

ツアーを終えた今も、
しばらくこの方向で取り組んでみようと思っているところです。

良いツアーでした。
ビンセントからは、先人から受け継いだジャズの誇りや責任をぶつけてもらい

エリックからはどんな時も楽しみ、
リラックスし、自由になれと伝えられました。

両方とも大事な事です。
もっとジャズピアノが上手になりたいなぁ。

真面目で赤裸々な日記になってしまいましたが、
正直な感想を綴りました。

東北から九州まで、
ホントにあちこち演奏しましたが、
ライブにお越しいただき盛り上げていただいた皆様

遠いところまで駆けつけてくれて
お手伝いをして下さった皆様

演奏会場の皆様

本当にどうもありがとうございました。

アメリカのジャズはやっぱり凄いけど、
日本人も応援してね!(笑)

<おまけ>
↓ライブ後になるとエリックがボーリングに行こうと騒ぎ、
断ると「弱虫!」「お前はサムライじゃない!」「ボーリング行くとピアノうまくなるぞ」などと、デタラメにしつこく食い下がって来るので、いつも根負けして付き合う事に。
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↓エリックが何故かビンセントとマッコイを闘わせて動画を撮ってるところ。
エリックから武術指導など、細かな演出が入り、何故か二人もそれに従い格闘シーンを撮影。
和気あいあいとしているが、
時折マッコイから日本語で漏れる「めんどくせぇ」の声。
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↓集合写真
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Commented by みわ at 2016-08-12 12:21 x
長い長いツアーお疲れ様でした。「どじはうす」で聴かせていただきました。ヴィンセントやエリックの影響でしょうか、JJMの時よりも音圧や一体感が増していたように思いました(素人がすみません!)。ホーンが外れた時のトリオの演奏すばらしかったです。娘が「田窪さんのピアノは、本当にうつくしい!!」と感動していました。このエッセイから様々なご苦労や田窪さんの思いがひしひしと伝わってきました。〈おまけ〉面白かったです。アメリカ勢、おそるべし。
Commented by 桜姫 at 2016-08-12 22:19 x
長期間のツアーの後のビレッジ、聴かせて頂きました。タイトル通りの入魂の組曲、モチーフはシンプルなのにそれが何層にも広がっていき、ストンと胸の奥の方に落ちてくる心地良さに酔いしれました。みなさんの演奏といい、オリンピックといい、甲子園といい、この所頑張っている人が眩しすぎて、羨ましいやら、妬ましいやら、追いかけたいやら。お尻に火をつけられた感が。さあて、私もそろそろ頑張るぞ。
Commented by Sasa at 2016-08-13 18:42 x
梅田always そして、桐生ヴィレッジ、どちらも素晴らしかったですー、私はEricさんたちとしっかり共演されてる田窪さんやもといさんを見ていてワクワクしてましたよー。読ませて頂くと大変だったのですねー、でも確実にそれは肥やしになり、花を咲かせることとなりますよー。
ヴィレッジは念願ののSoulSweatLIVEー!ようやく聴けて幸せでしたー。
東京ではGoodFejlowsプロ共演!遭遇したかったですー!山穣さん、川嶋さんのプレイ拝聴したかったし、勇姿を見たかったですー。(これ以外にやりようがないという開き直り、覚悟) 素敵な言葉ですね。
川嶋さんは常にその言葉が当てはまりますが、山穣さんはまだリアルに聴かせて頂いたことがないのですが、これからの遭遇期待したいですー。

それにしても田窪さんのピアノ、ますます磨きがー。@@圧倒されましたよ。
Commented by Sasa at 2016-08-14 03:04 x
すみませんー💦訂正ですー
Good Fellows Soul Suite

洗練された、エネルギッシュで、高揚感のあるプレイに魅力されていますー!
頑張ってくださいねー。
Commented by hirotakubow at 2016-08-14 16:08
>みわさん
お越し下さってありがとうございました!
そうですね、いつも通り弾いてたら自分のピアノが全く聞こえない感じだったので、頑張って強く弾いてる感じでした。JJMの時より音圧は少しはあったと思います。
最初は手が疲れてましたが、何日も続けると結構慣れてくるものですね(笑)。
凄い二人の後のピアノソロもなかなかプレッシャーでしたが、ピアノにも耳を傾けてもらって嬉しいです。

>桜姫さん
ビレッジにお越しいただきありがとうございました。

川嶋さんの組曲シリーズ、やりごたえがあって楽しいです。聴く側もエネルギーがいるライブですね。スポーツなどでストイックに練習に励んでる人を見ると、僕も頑張らねばと言う気分になります。お互い頑張りましょう(笑)。

>sasaさん
わざわざ訂正ありがとうございます。
そうですね。ブログで書いたように発見が多いツアーだったので、これからの活動の栄養になってくれると思います。
川嶋さんも山穣さんも、普段から意志と覚悟を持って取り組んでる人なんですね。
1日だけその場限りでいくら頑張っても、ああいう演奏はできません。
僕も1日1日の練習やライブを大事にして人を惹き付ける演奏が出来るように頑張ります。


Commented by 土屋悦子 at 2016-08-14 22:34 x
長丁場 お疲れさまでした!
実は最終日のTUCを聴くつもりでしたが、全席Sold Outだったのです。
次回はボーリングだけでも参加させてください。♪
Commented by hirotakubow at 2016-08-16 20:08
>土屋悦子さん
そうですね、tucでは大勢のお客さんに来てもらって、席が足らなかったみたいです。申し訳ありませんでした。

ボーリング、夜遅いからなかなか眠いですよ。
エリックは本当に元気です(笑)。
Commented by aiko at 2016-08-19 12:39 x
ツアーお疲れ様でした!
色々、収穫のある、素敵ないいツアーになったようですね。

暑い日々が続くので体調崩さないようにね!
Commented by hirotakubow at 2016-08-22 20:19
>aikoさん
はい、収穫ありまくりでした。この感覚を忘れないでいたいものです。
aikoさんも体調崩さないように気をつけて下さいね。
by hirotakubow | 2016-08-12 00:40 | ESSAY | Comments(9)

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